第2回 口頭弁論 期日報告 (速報)

  弁護士 藤 岡  毅

[今回の口頭弁論期日]
 2006年1月20日 午後1時30分〜午後1時45分
 場所 前回と同じ708号法廷

[傍聴券発行] 無し。

[今回の期日で実施された訴訟手続き]
 裁判長
  「裁判官の構成が替わりますので弁論を更新します。」
   ・右陪席裁判官に交代があった。

  被告代理人
  平成18年1月11日付被告準備書面(1)
(概要別紙掲載)陳述.
  乙1〜23号証提出、裁判官による証拠取調べ。

  裁判長
  「これで被告側の主張はいったん終了で、あとは原告の反論という順序
  でよろしいですか。」

  被告代理人 「はい。そのとおりで結構です。」

  裁判長
  「従前の被告の(平成17年11月10付)答弁書は、請求の趣旨が訂正され る前の訴状に対するものなので、訂正後の趣旨に対する答弁も検討し てください。」
   *「請求の趣旨訂正書」は別紙掲載。

  裁判長 
「原告側は、被告の今回の主張に対する認否、要綱違法確認訴訟の却下
  答弁に対する反論を用意してください。」

[重要な公文書に対する改竄!の指摘]
 ここで原告代理人は発言を求めた。
 原告代理人の指摘
 「さて、この被告準備書面において、被告は、124時間から32時間に削 減処分した根拠について次のとおり主張しています。

   平成16年3月29日、その前の平成15年12月2日、16 年1月9日、1月13日、1月27日、3月2日の5回(計6回)行なわれた勘案 事項調査の結果を踏まえ、移動介護要綱6条2号アの規定を適用して、 移動介護32時間の本件第1処分を行なった。」

  「そうすると、処分の根拠となったその6回の勘案事項調査の結果が 記載された書面が重要になります。」

  「中でも一番重要なのは平成16年3月29日の勘案事項調査結果で す。」

 「ところが、さきほど提出された乙1〜23の証拠の中で一番重要なは ずの、平成16年3月29日の勘案事項調査結果が記録された乙第2 0号証だけが何故か写し(コピー)です。

    被告は、これがなぜ「原本」でないのか説明して下さい。」

 被告代理人
 「手違いで原本を誤って廃棄してしまいました。」!!

  原告代理人
 「これはたいへん重要な点ですよ。何時それが判ったのですか。」

  被告代理人
 「この訴訟が始まって資料を準備しているときに、この原本がミスで廃 棄されたことが判明しました。」

   原告代理人
 「裁判長。
  平成16年3月中旬ころから、この約2年間にわたって、この処分の 正当性の問題を巡って連日のように行政とこちらは交渉を続けてきま した。
  4月からは弁護士である私も交渉参加しています。

   そんな状況のなかで一番大切な処分の根拠となった行政文書を失くし てしまうなどということはありえないことです。」

    「裁判長。この乙第20号証をご覧下さい。
   この第5項の(外出に関する支援)の項目です。

      まず(外出の援助の必要性がある理由)として、

   脳性まひに起因する両上肢の移動機能障害1級に加え、言語機能に も障害を有するものである。移動手段は車いすのみであり、コニュ ニケーション支援も必要とするため、外出に関する支援は必要不可 欠である。

   と記載されており、これは内容も問題なく、筆跡もその上と同じな ので不自然でなく、いいでしょう。」

  「しかし、その下にある、目的、場所、必要時間、必要回数、合計 時間、算定時間、備考とある、外出の算定時間一覧が不自然に空 白です。

    そして、ただ、社会参加 32時間    とだけしかない。
    しかもその筆跡は上記と異なっている。
    はっきりこの部分だけ浮き上がるように不自然です。」

  被告代理人
 「移動介護要綱に反対する原告が外出に関する勘案事項調査に協力拒否 されたからここが空欄なのです。」

 原告代理人
 「違います。
  乙第20号証には、3/2(3月2日)と同じにした。   とあります。

   3月29日の聴き取り票は基本的に3月2日と同一のはずです。

  3月2日時点で原告と被告の間では移動介護要綱の問題は出ておらず、 原告が外出してどのような活動をしているかということは必ず聴き取 り調査されています。それが記載されていないわけがない。」

 原告代理人
 「被告に求める書類を特定した書面を用意しました。」*別紙掲載

 「この、15年12月2日付、16年1月9日付、1月13日付、1月 27日付、3月2日付、3月29日付、の勘案事項調査票、勘案事項 整理票、聴き取り票の一切を提出するよう求めます。

  乙第20号証として提出されたものについては、「5 外出に関する 支援の欄」が改竄される前のものを提出して下さい。 できれば10日以内くらいに。」

 その後、裁判長と原告代理人でやりとりがあり、

 裁判長から
 「1 乙第20号証が写ししかない理由。
  2 原告から求められている書類。
  について、2月20日までに提出と回答をすること。
  理由は準備書面で提出すること。」
 との訴訟指揮があった。

[今後の訴訟手続き進行予定]
 被告側 2月20日までに上記の回答をする。
     3月20日までに、訂正後の請求の趣旨への答弁。
 原告側 3月20日までに準備書面提出

[次回の期日指定]
 2006年 3月24日 午後2時00分
 次回の法廷  同じく708号法廷

[藤岡のコメント]
 本件の移動介護激減処分の根拠となっているはずの調査書を「誤って廃 棄してしまった」には傍聴人一同(大田区の大須賀氏、小泉氏を除く)呆 れ、驚いたのでは。

 公文書の改竄など絶対に許されないことだが、どうか大田区役所の良心 ある職員の方には、この訴訟にて真相を明らかにしていただきたい。

 今回陳述された被告準備書面(1)で被告大田区は、必要不可欠な外出 を認定できなかったのは、客観的資料の提出に協力しない原告のせいだと 責任転嫁し、議論の本質をすりかえようとている。

 重度身体障害者に対して支援費支給のための客観的資料提出を要件とし て特段の事情の立証を強いる制度の前提自体おかしいという感覚はないの であろうか。

 移動介護支援費上限月32時間要綱の正当性については、この2年間の 交渉や議会答弁で一度も主張したことのない、総務省統計局が作成した統 計資料の意味不明の細かい注意書きを根拠とするなど人権規制の根拠の説 明として陳腐この上ない。

 次回に原告は被告大田区の主張の不合理を更に明らかにしていく。
 次回も多数の方の傍聴をお願い致します。


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