初公判での傍聴人記念写真
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第1回 口頭弁論 期日報告 (速報)


 弁護士 藤 岡  毅

今回の口頭弁論期日
2005年11月10日 午後1時30分〜午後2時
場所 東京地方裁判所(霞が関1-1-4) 7階 708号法廷
事件番号 平成17年(行ウ)第379号
係属部 民事第38部 合議B2係

傍聴券発行
今回、傍聴券発行事件として取り扱われた。
 車椅子用8枚、一般座席用32枚が発行。
 午後1時頃抽選が実施された。
 傍聴席は満席。
 裁判所から翌日午前藤岡に連絡があり、「皆さんたいへん良識的に譲り 合っており、混乱もなく、この感じならば次回は傍聴券なくてもいいかも しれないという感想を持ちました。」とのこと。

 次回直前にならないと判明しないが、次回は傍聴券なく、先着順に傍聴 ということになるかもしれない。

法廷内に入った者(傍聴人除く) 敬称略
裁判官 担当裁判官
  裁判長    菅野博之
     右陪席裁判官 小田靖子
     左陪席裁判官 岩井直幸

原告側 原告鈴木敬治 介助者
 原告訴訟代理人弁護士藤岡毅
        被告側 被告大田区の指定代理人として次の4名
  いずれも「特別区人事・厚生事務組合法務部」
(千代田区飯田橋3丁目5番1号)所属
   河合由紀男 (参事)(主任代理人)
   岩田  実  (主査) 
松井 克之 
池  一彦
    なお、翌日、裁判所から大田区長名義の平成17年10月31日付代理 人指定書(11月4日に裁判所に提出)を入手したところ、上記4名は、 いずれも「大田区事務吏員」との肩書きが付されている。
すなわち、鈴木訴訟対策として大田区から臨時雇用された扱い。

今回の期日で実施された訴訟手続き
原告代理人 訴状陳述 
但し、当日裁判所が作成した「請求の趣旨の訂正」書が配布され、それを 併せて訴状陳述。
被告代理人 答弁書陳述 
但し、上記の請求の趣旨の訂正書が当日渡されたため、その点を留保して 陳述。

裁判長から 「請求の趣旨の訂正」に何かコメントがあれば1週間以内に申し出るよう に。
特に連絡が来なければこれが訴状と一体となる。
原告代理人 甲1〜59号証の3提出、裁判官による証拠取調べ。

原告本人による意見陳述
 事前に原告代理人が裁判所に申し入れをして、裁判長が許可したことか ら、原告鈴木敬治本人の口による意見陳述が行われた。
こちらに掲載の内容。

原告訴訟代理人から提訴の趣旨説明 これも事前に許可を得ていたため、原告訴訟代理人が「提訴の趣旨説明」 を口頭で説明した。こちら掲載の内容。

  最後に、次の言葉を加えた。
「今回、原告の介護人は『原告の手足である』ので傍聴券の枚数にカウン トしないというお取扱いをされた裁判長に深く感謝申し上げます。

介護人が障害者の手足であるという視点はたいへん大切なものです。 大田区で言えば、例えば視覚障害者の人はもう支援費制度の前、30年く らい前からガイドヘルパーという手足を使って社会参加をし、人間らしい 生き方をしてきたわけです。

しかし、今回の被告大田区の措置によって、まさに視覚障害者から白杖・ ガイドヘルパーを奪い、身体障害者から車椅子を奪う、それと同じように 非道な振る舞いを被告大田区がしたという思いがしております。

そういう非人間的な社会でいいのであろうかということをみんなで考えて 行きたいと思います。」

今後の訴訟手続き進行予定についての確認
裁判長→原告代理人に 被告側から「要綱は国民の権利関係・法律関係とは直接関係のないもので ある以上、要綱の違法確認を求める訴えの利益はない。」との答弁が出て いるのでそれに対する反論を原告代理人は次回までに準備して下さい。

原告代理人→裁判長
その点に関して申し上げます。
私は訴状にて「要綱に基づく権利規制は法治主義に反する」と主張し ました。

それに対して、被告は「要綱は国民の法律関係と無関係だから訴えの利益 がない。」と答弁しました。

そうすると、被告が原告に対して(移動介護を)32時間にした理由は何 なのかが問われます。

被告は答弁書により「なぜ、32時間にしたのか、できたのかの理由、中 身」を何一つ述べていない。 32時間の正当化根拠を次回までに被告側は論証して頂きたい。
それを明らかにしてもらった後で、要綱の法的意味と訴えの利益に関して 原告側は主張する。
まずは、次回までに被告側はその点を明らかにすることが順序であると考 えます。

裁判長→原告代理人、被告代理人へ
判りました。
では、まずは被告側に次回までにその点を明らかにしてもらい、その後で 原告側が要綱の違法確認の訴えの利益に関して再反論してもらうこととし ます。

裁判長→被告代理人へ
次回前までに準備書面を提出して被告側の主張の中身を明らかにすること。

708号法廷=車椅子傍聴用法廷 この法廷は固定座席が3分の1ほど撤去され、車椅子傍聴用スペースがあ る東京地方裁判所唯一の法廷。

これは、一般民事担当の民事第6部などの使用している法廷で、行政訴訟 専門部である民事第38部は使用しない法廷だったが、原告代理人と裁判 所との交渉の結果、裁判官の尽力により鈴木訴訟第1回口頭弁論での使用 を認めてもらった。

事前の話しでは、「他の部の法廷を恒常的に使用するのは難しく、訴訟も 長引くだけなので、第2回以降は一般の、車椅子傍聴スペースのない法廷 に戻します。」と言われていた。

ところがこの日、裁判長から「この訴訟のためではないですよ。」と笑い ながら 「来年1月以降、この708号法廷は当38部の法廷となりました。」と の言葉が出た。
 これには驚いた。 「鈴木訴訟のため」であるのは明らかだから。
次回の期日指定
 2006年 1月20日 午後1時30分
次回の法廷  第1回と同じ708号法廷

藤岡のコメント
 速報の性質上、法律家としての専門的解説は割愛します。
 簡単な感想を。
  大型刑事事件でたまに弁護側の冒頭陳述が実施される例は聞くが、原告本 人からの意見陳述の機会が(尋問期日とは別に)第1回の口頭弁論期日で 認められる裁判例は珍しいと思う。

脳性まひによる言語障害を持つ原告鈴木さんにとって、緊張を強いられる 裁判所での公開法廷でコメントを読み上げること自体、たいへんなことだ ったと思う。

原告自身による言葉の重みは必ずや裁判官の心に響いたと確信している。

また、身体障害者、視覚障害者など多数の傍聴による本事件への関心の高 さの表明は、裁判所の審理に確実に影響する。

次回も多数の方の傍聴をお願い致します。

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