第二次鈴木訴訟 勝訴判決のご報告!



2010年東京地裁判決

第9回口頭弁論 期日報告 (速報)  
弁護士 藤 岡  毅

[今回の口頭弁論期日]
日時:2010年7月28日  午後1時15分
場所:東京地方裁判所 103号法廷
判決が言い渡されました。

判決の内容
 まとめると
    @ 処分庁に対する行政訴訟     原告勝訴
     「113時間を超える部分の支給量を算定しないものとした部分を取り消す。」
    A 処分庁に対する国家賠償請求訴訟 原告敗訴
    B 不服審査の裁決庁である被告東京都への行政訴訟 原告敗訴

 AもBも弁護士としては率直なところ承服し難い判断です。
 しかし、メインの争点であった
論点@:原告が求める移動支援147時間に対して113時間しか認めず34時間を棄却する処分は違法かという点について、
判決は
 「考慮すべき事項を考慮しないことにより社会通念に照らし妥当性を欠き、裁量権の範囲を超えたものとして、取り消すべき違法があるといわなければならない。従って、原告の請求は理由がある。」と判断し、処分の違法を明確に宣言し、原告の訴えが正しいことを認定しました。

   これは平成16年3月から主張してきた鈴木さんの訴えが司法で認められたことを意味し、前回の平成18年11月29日の支援費時代の判決は「形式敗訴・内容実質勝訴」という悔しいものでしたが、今回は、「形式・実質ともに勝訴」という内容であり、評価したいと思います。

  この判決の意義
 障害福祉施策における公的介護の権利を巡る裁判で最初の原告障害者の勝訴判決です。

 厳密には、かつて大田区ホームヘルプ派遣訴訟平成7年7月31日東京地裁判決(判例時報1593号41頁)でホームヘルプ派遣不承認処分が平等原則違反として、請求のうちごくごく一部の違法を認めた国家賠償請求訴訟での例はありますが、本件のように正面から原告障害者の基本的な主張を認めた判例は今までありません。  行政訴訟ではもちろん原告勝訴判決は初めてです。

 第1次訴訟では、124時間が32時間と4分の1=25%に減らされた、75%カットは酷いというわかりやすさがありました。

 今回は147時間の要求に対して113時間という77%は支給し、23%を否定というものでした。また大田区の定める標準時間の32時間の3.4倍であるに113時間でも足りない、違法だという主張でしたので、果たして裁判所に理解してもらえるのか、難しい面もありました。

 しかし、それでも裁判所は、障害者に必要な支給量を認めない処分は違法と断定しました。

 全国各地で障害者福祉施策における公的支援(自立支援給付での居宅介護、重度訪問介護その他の支援・地域生活支援事業での移動介護)において、自治体はそれぞれ月何時間を要綱などで標準などと称して支給量を制限している実態があります。

 本判決は、そのような安易な制限を否定し、個々の障害者の実状、必要性を勘案して支給量を保障するべき法的責任が行政にあることを明らかにしたものです。

 平成16年3月からの6年4ヶ月にわたる闘いの成果が獲得出来たことを鈴木敬治さん、支援者のみなさんとともに弁護団として喜びあいたいと思います。

 今までご支援をいただいた全国の大勢の皆さまに心より感謝致します。

 そして、今回こそは行政庁の良識ある対応を信じております。


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