大田区 障害者移動介護32時間削減問題 近況報告

鈴木敬治

東京・大田区で移動介護を利用して暮らす全ての障害者が、移動介護を全員一律32時間に削減されたのは、4年前の4月のことです。
 私、鈴木敬治は、大田区で生まれ56年間大田区で暮らしてきた、重度の脳性麻痺者です。 04年の3月までは月124時間の移動介護を使い生活していました。障害者自立生活運動に飛び込み独り暮らしを始めて26年になります。
 04年の4月に、私ももれなく移動介護を32時間に削減されました。大田区は一方的に32時間に削減した支給量決定通知書を自宅に送りつけてきました。
 こんなこと絶対に許せないと思い、大田区ととことん闘う決意を固めたのです。
 それから4年半以上経つ現在も闘いは続いています。大田区がなんら変わろうとせず、実際なんにも変わっちゃいないからです。
 僕の闘いは、大田区の障害者仲間だけでなく、全都全国の障害者・支援者の仲間に支えられてきました。
 僕は、そのことに深く感謝しています。皆さん本当にありがとうございます。
 支援して下さった皆さんに、最近の状況を以下にご報告いたします。

 06年11月29日に東京地裁で実質勝訴の判決が出た後、大田区は、判決逃れのために、昨年1月12日に移動介護 月90時間の決定を、勝手に送りつけてきました。やはり大田区は、こちらには何の相談もしませんでした。
 僕はもちろん、移動を(90時間なんかではなく)元の124時間に戻せと言い続けてきました。
 大田区は判決後、姑息な事に、06年12月28日「移動介護要綱を32時間上限から32時間標準に書き直す予定である」と報道に発表しました。僕はその事を翌日の新聞で知りました。
 07年4月には大田区役所前で、この移動介護削減問題の解決を要求する集会を、全国の障害者の賛同のもとやりました。しかし、大田区はこれを無視しました。
 更に07年7月には新区長との直接交渉を求める要望書提出をやりました。しかし、新区長はこれをも無視しました。
 一方、僕の暮らす地域を担当する、大田区北センター長との話し合いは続けられました。
 僕は「判決逃れの大田区32時間要綱の『標準』への言葉だけの書き換えなんか認めない」と言い続けてきました。
 さて、この交渉の中で北センター長は、「移動32時間標準の要綱」については、大田区本庁の障害福祉課長を同席させ、見直しの為の話し合いの場を作ると「約束」しました。しかし注文が多く、僕が東京都に行った、大田区の移動介護削減処分に対する不服審査請求を取り下げて欲しいと言ってきました。さらに見直すのは重度(障害者)訪問介護だけで、視覚障害者、知的障害者の移動介護については見直すつもりはないとも釘を刺してきました。
ところがおかしな事に、この「約束」は未だに果たされる気配がありません。何故なんでしょうか。
 実は、この大田区の「要綱見直し約束」が始まりもしない08年4月22日に、今度は東京都が、これまでの4年分の溜まりに溜まった不服審査請求の全てを全面的に却下したのです。それは東京地裁の判決内容をも踏み越える代物でした。大田区の下した判断と処分は妥当だったとして、鈴木の不服は認めないと却下したのです。
 これで、お墨付きを得た大田区は形勢逆転と考えたか、その後「約束」の話し合いを始めるそぶりすら見せないのです。全く困った奴らです。
 しかし東京都も本当にくせ者です。4年分の僕の不服審査請求をずっと放置しておきながら、機を見計らって一気に不服を却下したのです。これに対しては、もちろん黙っているわけにはいきません。
 東京都へは、7月24日に、大田区の障害者仲間のみならず全都の仲間の応援も得て、抗議申し入れ行動を行いました。
 この不服却下の理由を読むと、東京都は、当事者である私達大田区障害者の話は一切聞かずに、大田区の話だけを聞き取り、しかも大田区の説明するデタラメな誤った事実に基づいて裁決を下した事が分かります。
 東京都は、大田区障害者の移動介護量削減という不当な大田区の処分を追認し、そして私の不服審査請求を却下したのです。
 こんなこと絶対許せないので、私たちは抗議の声をあげ、東京都に対し申し入れ行動を行ったのです。
 この、7月24日の申し入れに対応した東京都の障害者自立支援課課長の弁明は、大田区の肩を持つものでした。分かってはいましたが、やはり正直あきれかえってしまいました。
 もし、この東京都の弁明が、まかり通ってしまうならば、東京都内の全てで同じように介護量削減がなされても認められることになってしまいます。これは何としても許すわけにはいきません。
 今や、大田区に始まった移動介護削減問題は、全都全国での介護量削減をも容認させかねない重大な局面をむかえていると思うのです。
 僕は、これらの現状を踏まえ、この先、まだまだ闘い続けます。
 障害者が当たり前に地域で生きていく為には、こちらから、当たり前の要求をたて、闘いを進めていかなければダメだと思います。闘わなければ悪くなるばかりで何も変わりません。
 これからも僕は、地域で共に生きる障害者と一緒になって闘い続けます。そして全都・全国各地の仲間と力を合わせて、共に闘い続けます。
 皆さん、どうか、これからも、僕の闘いへの注目と支援をよろしくお願いします。
鈴木敬治/鈴木さんと共に移動の自由を取り戻す会


東京都への申し入れ

申し入れへの賛同署名ビラワードファイルダウンロード

ぜひ多くの方のご賛同を



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