第3回 口頭弁論 期日報告 (速報)

弁護士 藤 岡  毅

  [今回の口頭弁論期日]
 2006年3月24日 午後2時00分〜午後2時25分
 場所 前回と同じ708号法廷

[傍聴券発行] 無し。

[今回の期日で実施された訴訟手続き]
     裁判長 「裁判官の構成が替わりますので弁論を更新します。」
     ・主任裁判官に交代があった。
次は裁判のあとに裁判所から聞いた情報

「第1回、第2回に裁判長を務めた38部の部長菅野(カンノ)裁判官は3月中に異動。
今日は部長代理的な役割をしている鈴木正紀裁判官が裁判長を努めた。
4月に着任する新しい部長がこの裁判の裁判長になり、鈴木裁判官が右陪席になり、左陪席も岩井裁判官が異動になり4月に着任する新任裁判官に変更する見込み。
つまり、この訴訟で今まで関わっていた裁判官で残るのは鈴木裁判官だけになります。
4月1日以降、新たな構成をお知らせできます。」とのこと。

裁判官の構成の変遷をまとめると次のとおり。
    第1回期日 (2005年11月10日)
           裁判長    菅野博之
           右陪席裁判官 小田靖子(主任)
           左陪席裁判官 岩井直幸
    第2回期日(2006年1月20日)
           裁判長    菅野博之
           右陪席裁判官 鈴木正紀
           左陪席裁判官 岩井直幸(主任)

      第3回期日(同年3月24日)
           裁判長    鈴木正紀
           右陪席裁判官 市原義孝
           左陪席裁判官 岩井直幸(主任)

      第4回期日(同年5月12日)
           裁判長    4月に着任する38部の部長
           右陪席裁判官 鈴木正紀
           左陪席裁判官 4月に着任する新任裁判官

原告代理人 
    平成18年3月24日付原告準備書面(1)(別紙掲載)陳述。
    同日付原告準備書面(2)(別紙掲載)陳述。
    甲60の1〜〜67号証提出、裁判官による証拠取調べ
    (原告準備書面(2)(3)を別紙掲載)。
    原告準備書面(1)は以下からダウンロード
    PDFファイルこちらから
    原告準備書面(2)は以下からダウンロード
    PDFファイルこちらから


被告代理人 

裁判長 

「原告準備書面(1)(2)に対して被告は次回までに反論して下さい。
特にこれは原告準備書面(1)でも指摘されていることですが、訴状27頁において原告から、『被告の要綱は東京都と厚生労働省の見解に違反している』との指摘に対して、裁判所が見る限り何ら反論がなされていません。
この点の反論を被告側は用意してください。
それ以外にも原告の指摘する違法事由に関してよくご検討して逐一反論を出してください。
次回の書面で、これらの反論はしないことなのかも含めて書いてください。」


原告代理人

「原告側の意見を述べさせてください。
本件は昨年8月に提訴され、第1回期日の11月10日に出た被告答弁は何ら中身のないものでした。

そして、第1回期日の際、被告は『訴状で指摘されている論点が多岐にわたり、全てに対して反論するので次回まで2ヶ月時間を下さい。』と主張し、当方はそれを受け容れました。 本来ならば、行政庁は行政処分を下したその時点で処分の合法性の説明が出来なければならないはずです。 しかも、本件では、訴訟に至る前に弁護士である私から処分の違法事由を書面により指摘されています。 訴訟で指摘している違法事由はほとんどすべて裁判開始前から弁護士が書面や交渉の席で指摘していることです。

それにも関わらず、当方は被告に反論のために1月20日までという2ヶ月10日間もの期間を許した経緯があります。 実は、その際、どうしてそんなに長い時間を被告に与えるのだと原告の支援者から弁護士はかなり非難されたくらいです。 それに対して、いや多岐に渡る論点について十分反論してもらうには2ヶ月10日与えるのも仕方ないことだからと言って、皆さんに納得して貰ってきたという経過があります。

その上でまた2ヶ月経過しています。

しかも、前回期日、被告は、裁判長から、『これで反論は全てですか』と問われて、被告代理人は 『これで主張は全てです』と答えたものです。 それは弁論調書にも記載されているはずです。

これだけ長い時間をかけて当方の指摘に答えられない以上、これは原告の主張に対して『反論不能である』と評価されるべきだと考えます。

以上を踏まえ、既に議論の応酬は尽きていると思います。 結審の方向に向けて進めて下さい。」


裁判長

「反論できないならば反論出来ないと被告にはっきり言っていただければいいと思います。 それで次に問題は、原告側も今後どのように立証を考えるかという点です。」


原告代理人 

「本日、何人かの障害者の方の陳述書、意見書を出させていただいたわけですが、原告本人はまだ未提出です。

今、原告本人に生活状況を踏まえた陳述書を御本人に書いてもらっています。 これは弁護士が作ってしまえば早いのですが、出来る限り敬治さん御本人自身の言葉で書いていただきたく、一生懸命本人が話し、介護人が聞き取りながら作成中でございます。 何とか、ゴールデンウィーク明けの5月8日くらいまでに裁判所に提出できるよう頑張って欲しいとさきほども本人にお願いしたところです。

そして5月後半には原告本人尋問を実施していただきたい。

あとは、被告側の証人です。一つは移動介護要綱作成運営に関わった職員、あとは、具体的に原告のケース、処分に関わった職員、この被告職員2〜3名の尋問申請を考えております。

法律的なやりとりはその間にやっていけばいいのではないでしょうか。」


裁判長

「原告の意見はわかりました。

では、被告は5月2日までに準備書面を提出、原告は可能な範囲で次回期日の2日前くらいに原告陳述書など提出できればと考えます。 それと証人申請書も併せて出してください。

原告代理人の言う、被告職員の証人申請は、被告側は申請するという趣旨でしょうか、原告側も申請を考えるという趣旨でしょうか。」


原告代理人

「筋としては被告サイドで申請するべきでしょう。 しかし、おそらくそれを嫌がるでしょうから、その場合は原告側で被告職員の尋問申請を行いますよという意味です。」


裁判長

「わかりました。だとしたら、被告も証人の点も考えてください。裁判官の変更もありますので、記録も大部になりつつあり、裁判所が万全の体制で臨むという観点からは、期日は5月で宜しいでしょうか。」


原告代理人 

「期日の点は結構ですが、被告の反論提出に期限を切っていただきたい。もっと端的に言えば、今までのやり取りのなかで、既に被告は『反論不能です』ということを今日の弁論ではっきり認めていただき、その旨今日の弁論調書に記載するということで終わりでいいのではないでしょうか。

被告代理人にお聞きしたいけれど、反論の意思はないということではないですか?」


被告代理人

「前回は、反論はこれでいいかなと思いましたが、今回裁判所から指摘受けましたので更に反論したいと思います。」


裁判長 

「裁判所としても、十分に被告に反論の機会を与えた、十分言わせたということで結審するのが本件では妥当と考えています。
事件が事件ですので、判決の内容によっては社会に与える影響が大きいものになりますので、被告の反論を十分に聞いた上で裁判所の判断を下したということにしたいと思います。」


原告代理人

「判りました。」

[今後の訴訟手続き進行予定]
    被告側 5月2日までに反論の準備書面を提出する。

    原告側 できれば、5月の連休明け5月8日〜10日頃までに原告本人陳述書及び証人申請書(証拠申出書)を提出。


[次回の期日指定]

2006年 5月12日金曜日 午後1時30分
次回の法廷  同じく708号法廷



[藤岡のコメント]

今回陳述書、意見書の作成、提出に御協力いただいた皆様に改めて感謝申し上げます。 障害当事者の説得力ある陳述は訴訟に大きな影響を与えると思います。 上記の裁判長の下線部分を読めば、見る人が見れば裁判官がどういう心証を頂いているかは明らかと思います。 ただ、4月から裁判長が変更してしまうという点だけが気がかりです。 裁判長が指摘しているとおり、4月以降の自立支援法施行以後も本訴訟の判決 が与える影響は計り知れないものがあります。 今後とも御支援のほどお願い申し上げます。

以上



資料
障害者の仲間の陳述書一覧


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