申し入れ書

JR東日本株式会社代表取締役社長殿
JR蒲田駅駅長殿

昨年2月27日深夜、JR蒲田駅で駅員が引き起こした障害者 差別事件から1年が経ちました。事件後、被害当事者であ る車椅子の障害者を先頭にJRへの抗議、申し入れを行い、ま たJR本社交渉にて同事件を取り上げました。

ところがこの1 年間、事の発端となった蒲田駅のエスカレーターは、今だ夜1 1時以降使用できず、車椅子の障害者をはじめ、いわゆる「交 通弱者」は蒲田駅の改札口に上がることすらできない状態が放 置されています。

一方、「交通バリアフリー法」と「ハートビ ル法」を統合立法化する動きが出てきています。つまり、公共 交通機関を誰もが当たり前に利用し、誰もが地域社会に参加し 、共に生きる社会を構築すべく、公共交通施設バリアフリー化 の責任が公共交通事業者に一層強く求められているのだろうと 思います。

今や障害者が社会参加し、街中に出ていくことが、 いかに大事な事かは改めて言う迄もありません。ノーマライゼ ーション社会構築の為に、今日、公共交通事業者は施設の面だ けでなく、意識の面でも徹底的な改革が社会的に求められてい ることを肝に命じて頂かねばなりません。

昨年2月27日深夜(28日0時すぎ)、JR蒲田駅駅員 は障害者の人権を侵害する差別事件を起こしました。

車椅子の 障害者がJRを利用するべく蒲田駅駅員に階段の昇降介助を求 めたところ、「駅員がいない、警察にでも頼んでくれ」等とウ ソをついて介護拒否−サービス業務を放棄しました。

公共交通 事業者として絶対に許されない行動です。やむなく一般の通行 人らに協力してもらい駅ホームに着いてみたら、駅員が多数い るではありませんか。

ところが、これに抗議した被害当事者で ある障害者に、あろうことか駅員は「」お前ら文句ばかり言う な。夜11時迄に電車に乗れ」等と許されざる差別暴言を投げ つけました。

なおも強く抗議する障害者と介助者に駅員は暴行 を働き、更には警察を差し向けでっちあげの被害届による売り 渡し弾圧で差別事件のもみ消しを図りました。

事件後の経過は 先にも述べた通りです。そして今だ、昨年行った申し入れの回 答を頂いておりません。真に不誠実極まりないJR東日本の対 応に今更ながら腹が立ちます。

ところで、その後JRの体質が明かるみに出る大事件が起 きました。JR西日本による脱線事故です。JR本社の対応の ひどさ、駅員や管理職のでたらめぶりが暴露されました。

人命 尊重や安全運転といった公共交通事業者としての基本姿勢が全 く欠落し、人権意識のかけらもない状況に世間の痛烈な反発を 呼びました。

そしてこのJR蒲田駅障害者差別弾圧事件こそは 、今ここにあるその問題そのものなのです。JR総体が何ら反 省せず、何ら改善せず、ただただ利益追求に走り、人の命を預 かるという社会の動脈たる交通事業者の重大責任を忘れた亡者 に成り果ててしまっているのです。

JR東日本はこの蒲田駅事 件を教訓にその差別意識を叩き直し、人権無視の営業姿勢を根 本から改善して頂かねばなりません。

あれから1年、JR蒲田駅が何も変わっていない事に強い 憤りを感じます。例えば本年1月24日被害当事者である障害 者がJR蒲田駅に降車しようとした際、駅員が昇降板を持って きておらず、やむなく自力で降車せざるを得ないという事態が 発生しました。

JR王子駅乗車の際、王子駅駅員は「蒲田駅に 連絡入れておきましたから」と言っていたにもかかわらずです 。

このように何も変わっていないことに強く抗議し、このJR 蒲田駅事件に対する再度の申し入れを行います。

組織としての JR及び事件を起こした駅員個人らによる関係者の謝罪を求め ます。また事件が原因で車椅子が破損させられたことに対する 賠償、並びに事件の再発防止の具体的な方策を示すことを求め ます。

それとともに蒲田駅エスカレーター、エレベーターのJ R運行時間内の利用、及びJR利用の際の駅員による介助等、 公共交通期間としての当然の責務を果たすべく、駅設備、職員 意識の徹底的な改善を強く求めます。

そして二度とこのような 事件が再起せぬよう、厳重に反省を求めます。JR本社及びJ R蒲田駅が真摯にそして誠意をもって、この再度の申し入れへの対 応をしてくださるよう、ここに強く求めます。

1 事件当時、電車内に一人取り残された車椅子の障害者 の「降りるから板を出してくれ」との求めを無視して発車させ ようとした事への謝罪を求めます。

2 昨年2月28日午後、助役への申し入れに介入した副駅 長の恫喝と話し合いを一方的に打ち切った事への謝罪を求めま す。障害者への差別暴言その他幾つもの職務違反、不法行為、 安全義務違反を行った駅員らによる謝罪、JR組織としての謝 罪、及び駅員に対する事件不再発の為の再教育を求めます。ま た、今後の再発防止策を具体的に明らかにするよう求めます。

3昨年の申し入れ以来、JR蒲田駅設備が一切改善されていな い事への説明を求めます。

4 事件の発端となった蒲田駅の夜11時迄しか使えない エスカレーター、エレベーターの駅設備・利用の改善を、JR が責任をもって行うよう求めます。付け加えて、蒲田駅エスカ レーターの車椅子乗車部分は、パタンと開閉させる型式のもの であり、過去重大事故が発生していることも鑑み、これを安全 な型式のものに改善するよう求めます。

5 もし、すぐには蒲田駅設備・利用の改善が出来ないの であれば、夜11時以降のJR利用障害者の蒲田駅階段昇降介 助をJRが責任をもって行うよう求めます。

6 上記申し入れ項目に対するJR組織としての文書での 回答と、蒲田駅責任者を交えた本件についての交渉の設定を求 めます。

以上

     
2006年2月28日

鈴木さんと共に移動の自由をとりもどす会
鈴木敬治



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