申し入れ書

大田区長殿
大田区南地域行政センター長殿
同上 まちなみ整備課長殿
大田区保健福祉部計画調整課長殿

「交通バリアフリー法」、及び「ハートビル法」が統合立法化される動きが出ていると聞きます。即ち、公共施設、及び公共交通機関等を誰もが当たり前に利用できるよう、そして誰もが当たり前に地域生活に参加をして共に生きる社会を構築すべく、大田区行政のバリアフリー化の責務はますます重大になって来ていると言えるでしょう。

今や、障害者が社会に参加し、街中に出ていくことがいかに大事な事かは言う迄もありません。故に、「障害者にやさしい街づくり」や「障害者が安心して暮らせる街」を公約に掲げる大田区政の有言実行がまさに求められているのです。

しかし、大田区内の公共施設、及び公共交通機関バリアフリー化は、必ずしも好ましいものとは言えません。しかも設備面でのバリアフリー化のみならず、意識の面での(つまり心の)バリアフリー化に至っては、ここ大田区は区役所保健福祉部から率先して逆進的と言わざる得ない状況にあります。

具体的に言えば、一昨年4月から大きく問題として浮上していながら、今もって、大田区自らが解決できずにいる障害者支援費制度・移動介護・社会参加の32時間/月への一律削減問題です。

昨年には、この問題で大田区長を相手取り、行政訴訟が始まりました。大田区に住む障害者の外出、社会参加の保障を大田区福祉行政自らが投げ出して一律的、強制的に切り捨ててしまいながら、その一方で「障害者にやさしい街づくり」を大田区行政が掲げるという、甚だしい政策的矛盾が大手を振って街中を歩いているのです。

全く笑うに笑えません。このようなお寒い状況のさなかの昨年2月27日深夜、JR蒲田駅で重大な人権侵害かつ明白な障害者差別事件が惹起されたのです。

この事件後、被害障害者である車椅子の障害者を先頭に、大田区長、及び大田区行政所管部に対して、事の発端である蒲田駅エスカレーターの夜間利用不可の問題について申し入れを行いました。

しかし、あれから一年、大田区行政が何らか対策を講じた形跡が見当たりません。

昨年の申し入れでその経過は明らかなように、この事件の背景には蒲田駅(JR、東急共に)利用障害者らは夜11時以降人力で階段の昇降をしなければならず、公共交通施設バリアフリー化の責務という観点から致命的な欠陥が存在しています。

しかも、蒲田駅2階への昇降設備(エスカレーター)の設置費用、運営費用の出費のみならず、その管理責任自体が大田区行政の管轄なのですから、またかと落胆してしまいます。

これ迄大田区行政はこの状態を放置し、対策を講じて来なかったのですから、その怠慢な行政姿勢は非難されてしかるべきでしょう。

ましてや「障害者が安心して暮らせる街」などと心にもないたわけを尽くす大田区行政に昨今、世間の痛烈な批判が集中するのも当然です。

先日も姉歯−耐震強度偽装事件の第1号物件に加担するという恥を全国にさらした大田区行政が「安心な街」を語るとは何と恥知らずなことでしょうか。

「安心」どころかその実「耐震偽装の不安な街づくり」をしているのですから。

話を戻してだから今こそ、大田区行政の住民無視、安全軽視、障害者差別の行政姿勢を根本から叩き直さなければならないと思います。

そこで再度、貴職、並びに大田区行政の責任部署へ、蒲田駅の東西交通バリヤフリー化、駅設備・利用の抜本的改善を求め、申し入れを行うこととします。

当の被害を受けた鈴木敬治さんら多くの障害者の積年の要望であるバリアフリー化、駅設備・利用の改善を、今だ実現し得ない大田区行政の責任を改めて猛省して頂きたいと思います。

このJR蒲田駅障害者差別事件の発生原因を長年放置してきた大田区行政こそ、その差別的行政の責任を厳しく問われなければなりません。昨年起きたこの事件の重大さを重く受け止め、再び繰り返すことがあってはなりません。その為にも

1 蒲田駅東西交通の設備改善を大田区行政の責任として抜本的、かつ早急に取り組むよう強く求めます。付け加えて、蒲田駅エスカレーターの車椅子乗車部分はパタンと開閉させる型式のものであり、過去重大事故が発生していることも鑑み、これを安全な型式のものに改善するよう求めます。

2 本件の被害者である鈴木敬治さんら障害当事者が関与する、大田区行政と蒲田駅公共交通事業者を交えた設備改善の話し合いの場を設定して頂くよう求めます。

3 本申し入れに対する文書での回答を求めます。

以上

 2006年2月28日

鈴木さんと共に移動の自由をとりもどす会
鈴木敬治


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